これからの季節、愛犬のためにしっかりとした防虫対策を!
春から暖かくなる季節は、お出かけが増える一方で、フィラリア症やノミ・ダニへの対策が欠かせません。特にフィラリア症は犬にとって命に関わる深刻な病気で、また近年ではマダニによる被害が人にも及んでいます。こうした寄生虫は、様々な病原体を媒介するリスクがあり、場合によっては飼い主やその家族にも影響を与えかねません。
感染リスクが高まる季節こそ、防虫対策を徹底することが大切です。予防薬は防虫の基本対策として有効であり、定期的な使用で愛犬を寄生虫から守ります。愛犬の健康とご家族の安心のために、ぜひ防虫対策と衛生管理を見直してみましょう。
フィラリア症は心臓に寄生して僕たちを苦しめる怖い病気なんだよ。
だから定期的に薬を飲んで予防をしないとね。
上の画面をタップしてね
犬フィラリア症とはどんな病気?
フィラリア症とは?犬の健康を守るために知っておきたい予防と対策
フィラリア症は蚊が媒介する病気で、細長く素麺のような寄生虫「フィラリア」が犬の体内で成長し、様々な疾患を引き起こします。体内で脱皮と成長を繰り返し、成虫になると心臓に寄生して心臓病の原因になります。フィラリアは犬だけでなく、馬や牛、豚にも感染するため、特に酪農地域で飼われている犬には必須の対策です。
フィラリアの幼虫であるミクロフィラリアは、蚊によって体内に侵入し、吸血の度に他の犬へと感染を広げます。ミクロフィラリアは宿主内で最大3年生存でき、寄生されてから症状が出るまで時間がかかるため、発症に気づいた時には病状が進行していることが多いです。
★症状
フィラリア症の主な原因は犬糸状虫が肺動脈に寄生し、肺高血圧症を引き起こすことで、最終的には右心不全へと繋がります。症状は以下の通りです。
- 軽度:無症状の場合が多い
- 中程度:貧血や咳
- 重症:体重減少、呼吸困難、持続的な咳、腹水貯留、頸動脈怒張など
★駆虫
駆虫薬はフィラリアの成虫およびミクロフィラリアに作用し、異なる成長段階に合わせて投与されます。成虫には砒素剤が用いられますが、駆虫後の虫体が閉塞し重篤な症状を引き起こすことがあり、外科的に頸動脈から取り出す場合もあります。ミクロフィラリアの駆除にはマクロライド系の予防薬(イベルメクチン、ミルべマイシンオキシム、モキシデクチン、セラメクチンなど)が効果的です。これらの予防薬を定期的に投与し、早期からフィラリア感染を防ぎましょう。
★予防
予防薬の投薬は5月から12月にかけて行うのが推奨されますが、温暖化の影響で蚊が12月まで活動することも多いため、期間を少し延長することを検討しても良いでしょう。
フィラリア症は犬の健康を脅かす病気です。適切な予防策で愛犬を守り、健康で長い生活をサポートしてあげましょう。
上の画面をタップしてね
ノミ・ダニ症
犬に潜むノミ・ダニのリスク:その種類と対策
犬の健康を脅かす寄生虫の中でも、特にノミとダニは注意が必要です。ノミは犬条虫の中間宿主として犬に寄生し、血を吸いながらさまざまな健康被害をもたらします。ここでは、犬に寄生する主なノミとダニの種類や、寄生によって引き起こされる問題について詳しく見ていきましょう。
ノミの影響
ノミは犬の体表に寄生して吸血し、かゆみを引き起こします。寄生された犬は激しいかゆみを感じ、掻きむしることでアレルギー性皮膚炎を発症することがあります。貧血や瓜実条虫(犬条虫)の伝播も引き起こすため、特に注意が必要です。ノミを発見した場合は、すでに家の中にもノミが拡散している可能性が高いと考えて、早急な対策が重要です。
ダニの種類とその影響
ダニにはさまざまな種類が存在し、犬に寄生する代表的なダニには以下の3つがあります。
★ ヒゼンダニ(疥癬症)
ヒゼンダニは皮膚に寄生し、非常に強いかゆみを引き起こします。感染した動物との接触で広がり、人にも感染するため、感染が疑われる場合は動物に触れないことが大切です。また、潜伏期間が1か月ほどあるため、早期発見と対応が重要です。
★ ミミダニ
ミミダニは外耳道に寄生し、感染した犬は強いかゆみと耳垢の増加が見られます。二次感染として細菌による化膿が生じることもあり、耳垢を顕微鏡で調べるとミミダニの虫体や卵が確認されます。
★ マダニ
マダニは気温が15度以上になる春から秋にかけて活発化し、草むらや河川敷などで犬に寄生します。近年、マダニによって媒介される重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱が話題となり、SFTSは致死率の高い病気です。現在のところ、犬や猫に寄生するマダニからの感染例は確認されていませんが、駆除薬でリスクを減らすことが犬の健康を守るために重要です。
マダニは一度寄生するとしっかりと皮膚に口器を刺し込み、セメント状の物質で固定して数日間吸血を続けます。これにより、貧血や皮膚病の原因となり、細菌やウイルス感染のリスクもあります。
対策と予防
ノミやダニの被害を防ぐためには、駆虫薬を使用することが効果的です。これによりノミやダニだけでなく、シラミやハジラミにも予防効果が期待できます。また、草むらや藪などダニが潜んでいる場所を避けることも予防の一環として有効です。
犬の健康を守るためには、これらの寄生虫の特徴とリスクを知り、適切な防虫対策を行うことが大切です。
上の画面をタップしてね
新品価格 |
マダニによる影響
マダニは卵の状態以外の全てのステージで動物に寄生して吸血します。
孵化後、他の動物への寄生・吸血・落下・脱皮を繰り返しながら成長していきます。
成ダニは犬や大型動物に寄生して吸血し3~11日間吸血を続け、十分に吸血すると落下して産卵します。
犬への影響 | |
犬への影響 | マダニが大量に寄生して吸血したことで、貧血を引き起こします。 |
アレルギー性皮膚炎 | マダニの唾液がアレルゲンとなり、強い痒みなどを引き起こします。 |
ダニ麻痺症 | マダニは種類によって唾液中に毒性物質を生産するものがいて、そうしたマダニが吸血するときに唾液から毒性物質が体内に注入されると、神経障害を引き起こします。 |
重症熱血小板減少症候群(SFTS) | SFTSウイルスによる人畜共通感染症(ズーノーシス)で、発熱、消化器症状、筋肉痛、皮下出血、などの症状を示し命を落とす場合もあります。犬よりも人のほうが重症率が高い。 |
バベシア症 | バベシア原虫が犬の赤血球に寄生して破壊する病気で、貧血や発熱を示します。重症化して死亡することもあります。 |
ライム病 | ボレリア菌による人畜共通感染症で、犬では神経症状、発熱、食欲不振など、人では咬まれた部位から紅斑が広がり、発熱、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの症状が現れます。 |
Q熱 | コクシエラという細菌による、人畜共通感染症で、犬よりも人の方が重症化しやすいです。高熱、激しい頭痛、筋肉痛、倦怠感なでの症状がでます。 |
ノミによる影響
犬などの体表にとどまって吸血するのは成虫だけですが、卵・幼虫・サナギは家中のいたるところ潜んでいます。
気温が18度~27度・湿度75~85%を好み、梅雨の頃から活発に発生・繁殖します。
現在では住環境が快適化して冬の間も活動しているようです。
犬への影響 | |
アレルギー性皮膚炎 | ノミの唾液がアレルゲンとなり、1匹でも刺されると強い痒みを伴う皮膚炎が起こます。 |
瓜実条虫 | などを引き起こします。 | ノミの体内には瓜実条虫の幼虫が入り込んでいることがある、ノミをつぶしたりすることで犬や猫の体内に入り感染。多数が寄生すると下痢や体重減少
その他の病害 | *吸血による貧血 *毛艶の消失 *吸血の刺激による痒みのストレス *掻き傷による化膿性皮膚炎 | *ノミの大量寄生
猫引っかき病(パルトネラ症) | 猫の赤血球表面に常在するが、犬猫では不顕性感染 |
ノミ刺咬症 | 犬や猫の痒みの原因もアレルギーの一種 |
まとめ
フィラリア予防の重要性:健康維持のための定期的な予防薬の投与を
フィラリアは、犬にとって命に関わる非常に危険な病気です。しかし、予防薬の定期的な投与によって確実に予防することができます。これらの予防薬は、フィラリアのみならず、回虫、鉤虫、鞭虫といったお腹の寄生虫にも効果があり、腸内の健康を守る助けにもなります。定期的に投与することで、愛犬のお腹の虫も予防でき、健康維持に大きく役立ちます。
犬は口が地面に近いため、落ちているものを口にしたり、舐めたりすることで寄生虫に感染するリスクがあります。「室内飼いだからお腹の虫なんていない」と思われがちですが、地面や他の動物からの感染リスクは室内外に関わらず存在します。
予防薬で防げる病気や寄生虫は、早めの対策で愛犬の健康を守りましょう。治療が必要になってからでは、犬にも飼い主にも負担がかかるため、事前の予防を心がけてください。
必ず説明書を読み、用法・用量を守って使用してください。
犬に関する悩みや疑問・質問などがありましたら、ご自由にコメント欄に投稿してください。
(コメント欄は、この記事の最下部です)
*いただいたコメントは全て拝見し真剣に回答させて頂きます。
良い愛犬ライフを。
コメント