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秋の爽やかな風が心地よいこの季節、愛犬との散歩がさらに楽しくなる時期がやってきました。涼しく澄んだ空気の中、いつもの散歩コースを少し変えてみたり、少し遠出して新しい景色を探すのはいかがでしょうか。秋ならではの草花が咲く道や、風がそよぐ広場など、いつも見慣れた場所でも新たな発見があるかもしれません。この季節、愛犬もいつも以上に散歩を楽しみにしていることでしょう。秋の自然を感じながら、大切な愛犬との時間を特別なものにしてみませんか?
チワワ式お散歩術
普段何気なく行っている犬の散歩ですが、愛犬は本当に満足しているでしょうか?理想の散歩とは何なのか、少し立ち止まって考えてみましょう。
散歩は「犬の運動」以上の意味を持っています。特にチワワのような小型犬の場合、運動量が少ないため散歩は必要ないと思われがちですが、悪天候でない限り、できれば毎日連れて行ってあげてください。散歩と運動は、実は別のものだからです。
散歩は、犬たちが外の世界とふれ合い、さまざまな刺激を受ける大切な機会です。散歩を通じて犬は嗅覚や聴覚を働かせ、社会性を育んでいきます。周囲の環境に慣れ、自分の住む場所に愛着を持ち、気分転換を図りながら飼い主と一緒に歩くことで、信頼関係も深まります。
特に犬の社会性を育むには、散歩が欠かせません。たとえ15分でも毎日行ってあげることで、他の犬との交流やニオイ嗅ぎなど、犬の本能を刺激する機会が生まれます。こうした体験を通して、犬は周りの世界に対する理解を深めていくのです。また、新鮮な空気と日光浴は、すべての生き物にとって欠かせないものです。
時間が短くても構いませんので、ぜひ毎日外に連れ出してあげてください。若くて活発な犬であれば、さらに長い時間をかけたり、運動量を増やしたりすることで、心身ともに健康を保つことができます。
散歩の経験を積ませましょう
外の世界は、特に小さな犬にとっては不安や苦手なものが多く、初めての散歩では歩かずに立ち止まってしまうこともよくあります。特にチワワのような小型犬の場合、散歩中に人ごみに入ると見えにくくなり、踏まれてしまう危険もあるため、注意が必要です。初めての散歩は、できるだけ愛犬が楽しい時間を過ごせるように工夫してみましょう。
リードをつけて外に出ても、その場で動けなくなってしまう犬も少なくありません。そんなときには、静かな場所に移動し、少しでも歩けたらご褒美のおやつをあげたり、撫でて褒めてあげるなどして、少しずつ自信を持たせていきましょう。このようにして、少しずつ成功体験を積み重ねさせることが大切です。
慣れてきたら、異なる公園や少し人が多い場所にも挑戦してみましょう。自転車や車、他の犬、強い風や突然の大きな音など、さまざまな環境に慣れていくことで、愛犬も少しずつ自信をつけ、「外でも大丈夫!」と思えるようになります。
飼い主も忙しく、毎日同じ時間に散歩に行けないこともあるでしょうが、時間が短くても少しの散歩を日々取り入れてみてください。時間のあるときには、しっかりと散歩の時間をとり、愛犬に外の世界を満喫させてあげましょう。
チェックポイント
初めての散歩で最初から上手に歩いてくれる小型犬は少ないものです。そんなときは、芝生の上に連れて行くと意外と歩いてくれることが多いという経験があります。やはり、より自然に近い環境だと気分が変わり、足取りも軽くなるようです。もちろん、すべての犬がそうとは限りませんが、なかなか歩いてくれない場合は、ぜひ芝生のある場所に連れて行ってみてください。
散歩コースは複数設定しておきましょう
散歩コースの設定は、愛犬が楽しんで歩ける道を選ぶことが基本です。犬によっては気に入らないコースもあり、特に嫌な出来事があったわけでもないのに、歩くのを嫌がる場合があります。そんなときは無理をせず、愛犬が気分よく歩けるコースに切り替えてみましょう。
また、犬は拾い食いをすることが多く、特に落ち葉程度であれば問題ありませんが、ゴミや木の実、枝などを口にしてしまうと腸閉塞の原因になりかねません。拾い食いの癖がある子には、注意が必要です。
犬は景色の変化によっても気分が変わるため、同じコースを毎日歩いていると飽きてしまうことがあります。コースを変えると、犬の好奇心が刺激され、意気揚々と歩く姿が見られるでしょう。新しい風景を楽しむことで気分転換にもなり、だらだら歩くよりも健康にも良い効果があります。
また、階段は犬の体に負担をかけるため、避けたほうが無難です。背中が反り返るような姿勢は足腰に悪影響を及ぼすことがありますので、適度な坂道など、ほどよい負荷がかかるコースを取り入れると良いでしょう。坂道のあるコース、静かな道、草花の多い公園、人や車の多い通りなど、いくつかバリエーションを設定し、犬が喜ぶコースを日ごとに変えるのもおすすめです。
散歩中、急に歩くのを嫌がることもあります。特に普段よく歩いている道でも、突然立ち止まってしまうことがあるため、こうしたときのためにおもちゃやおやつを持ち歩き、歩くように誘導したり、ご褒美として与えると効果的です。
チェックポイント
真夏のアスファルトでの散歩は避けましょう。アスファルトは非常に高温になり、犬の肉球が火傷する恐れがあります。特に小型犬は、反射熱を体全体で受けやすく、熱中症のリスクも高まります。暑い日には散歩をお休みするか、涼しくなった夕方以降に、芝生や土のある場所で散歩をさせるようにし、愛犬を暑さから守ってあげましょう。
散歩のときに気をつける安全への配慮
食後すぐの散歩は避けましょう。食後にすぐ散歩を始めると、内臓に負担がかかり、胃がよじれる「胃捻転」や腸がよじれる「腸捻転」などの危険な状態を引き起こすリスクがあります。これらは発症すると致命的なことが多いため、食後は少なくとも1時間程度の休憩を取ってから出発するようにしましょう。
また、散歩直後に食事を与えたり、一気に水を飲ませたりすることも控えましょう。息が落ち着き、ゆっくり呼吸する状態になってから水や食事を与えるのが安全です。
去勢手術を受けていないオス犬に多く見られるマーキング行動には、注意が必要です。壁や電柱などの柱状の物には近づけず、マーキングをさせないようにしましょう。これらの場所には他の犬がマーキングをした痕跡が残っていることが多く、病気を持つ犬が排泄した可能性もあるため、衛生面でも避けたほうが良いでしょう。
散歩中にトイレをさせるのは避けましょう。むしろ、「散歩に行く前に家でトイレを済ませてから出発しようね」という習慣をつけることが大切です。トイレのしつけをする際には、「ワンツー、ワンツー」といった声掛けでトイレのタイミングをコマンドとして教えておくと良いでしょう。これにより、散歩だけでなく、外出前に指示を出すだけでトイレを済ませてくれるようになり、さまざまな場面で便利になります。
愛犬との散歩では、飼い主の横につかせ、同じペースで歩かせることが理想です。犬が勝手にあちこちへ歩き回らないようにリードをしっかりと保ちましょう。特に人ごみでは、危険防止にもなり、飼い主に寄り添って凛々しく歩く愛犬の姿は、賢さと誇らしさを感じさせます。
先ず飼い主は犬の右側に犬は飼い主の左側に立ち。リードは首に負担がかからない程度に短めに持ち、しっかりと保持しましょう。リードは犬の命綱でもあります。チワワなどの小型犬は引く力は弱いものの、動きが素早いため油断は禁物です。リードを放してしまうと、思わぬ事故につながる可能性があるので気をつけてください。
チェックポイント
また、胴輪(ハーネス)を使用する場合、犬が後ずさりした際に脱げることがあるため、注意が必要です。安全のためには、首輪を使用し、しっかりとフィットしているか確認しておくと安心です。
散歩はやればいいというものではありません
愛犬家の方と話していると驚かされることがあります。それは「片道5kmも愛犬と歩いてきた!」という話です。牧羊犬のような運動量が豊富な犬種ならともかく、チワワのような小型犬にとってはかなりの負担になるはずです。しかも、目的地に到着したら、また同じ距離を歩いて帰らなければなりません。
人間も健康のためにランニングやウォーキングに励む方がいますが、やりすぎは故障の原因になることもあります。犬も同様で、痛みや違和感があっても、それをなかなか表に出さないため、飼い主にはわかりにくいものです。関節などを痛めてしまうと、完治までに時間も費用もかかり、通院の手間も増えてしまいます。やはり、何事も程々が一番でしょう。
このような極端な運動は、犬にとって肉体的に大きな負担となり、数日間ぐったりしてしまうかもしれません。それでは、犬にとって楽しい散歩とは程遠くなってしまいます。さらに、肉球の皮がむけて痛みを感じることで、散歩自体を嫌いになってしまう可能性もあります。
飼い主の皆さんは、愛犬の体調に配慮し、負担がかかりすぎないよう、適度な距離とペースで楽しい散歩を満喫してあげてください。
犬は散歩に連れて行ってくれる人に懐く
意外に思われるかもしれませんが、犬が一番懐く相手は「エサをくれる人」とは限りません。実は、犬にとって散歩は単なる外出ではなく、狩りに出かけるような意識を持っています。犬は「これから獲物を狩りに行くぞ!」という意気込みで、信頼できるリーダーのもと群れで行動しようとするのです。
リーダーに従い行動することで群れの安全を守り、狩りを成功させるのが本能的な行動です。そうした観点から、犬は散歩に連れて行ってくれる人を「信頼できるリーダー」として慕い、懐いていくのです。
犬が散歩に連れて行ってくれる人に懐く理由は、いくつかの心理的な要因が関係しています。以下にその理由をまとめました。
- ポジティブな経験の共有
散歩は犬にとって非常に楽しい経験です。新しい場所や匂いを感じられるうえ、エネルギーを発散させる機会でもあります。そのため、散歩を通じて楽しい時間を提供してくれる人に、自然と好意を抱くようになります。 - 信頼関係の構築
散歩は犬にとって飼い主への信頼を築く重要な場面でもあります。外の環境ではさまざまな刺激があり、犬は一緒にいる人を頼りにすることで安心感を得ます。この繰り返しにより、「安心できる相手」としての信頼が深まります。 - リーダーシップの認識
犬は群れで生活する動物であり、リーダーシップをとってくれる存在を重要視します。散歩に連れて行く人は犬の安全や行動を管理してくれるため、自然とその人をリーダーと認識し、従う傾向が強まります。 - 愛情と注目の時間
散歩は犬にとって、飼い主と一対一で過ごす特別な時間です。犬はこの時間を通して愛情を感じ、また自分に注目してくれることで強い絆を感じます。これが懐く理由の一つです。
これらの理由から、犬は散歩に連れて行ってくれる人を「楽しい時間を提供してくれる信頼できる存在」として認識し、自然に懐くようになるのです。
僕たちはお父さんと行く散歩がだいすきなんだ
まとめ
より楽しく充実した散歩を目指そう。
「犬は散歩に連れて行くもの」と考える飼い主は多いですが、なぜ散歩が必要なのか、その本当の理由を理解している方は意外と少ないかもしれません。犬にとって散歩は、単に運動欲求を満たすだけではなく、社会性を育む場であり、飼い主との絆を深める大切な時間でもあります。ただ漫然と歩くだけでなく、充実した体験にすることで、1日の散歩がより価値のあるものに変わります。愛犬にとっても、飼い主にとっても、楽しく意義ある時間を過ごせるよう、散歩を工夫してみましょう。
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