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愛犬が安心して過ごすために必要な【“社会化”と“自立”の知識】信頼関係を築くためのステップ

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「うちの子、どうしてこんなにお留守番が苦手なの?」
愛犬が飼い主の外出時に不安そうに鳴いたり、落ち着かない様子を見せたことはありませんか?これは「分離不安」と呼ばれる状態で、多くの飼い主が抱える共通の悩みです。その背景には、犬の“自立心の不足”が関係している場合があります。

犬は本来、自分で状況を判断し、行動する力を持っています。しかし、現代では飼い主と密接に暮らすことで、必要以上に依存する傾向が強くなっているのが現実です。だからこそ、犬の「犬らしさ」を大切にしながら、少しずつ自立心を育てていくことが、愛犬の心の安定につながるのです。

愛犬が自信を持って行動できるようになれば、過度な依存や不安が減り、飼い主との間に健全な距離感が生まれます。結果として、飼い主も犬も安心して、より豊かな毎日を過ごせるようになるでしょう。この記事では、分離不安の予防・改善に役立つ「自立心の育て方」について、実践的なアプローチをご紹介します。

目次

自立心とは

犬にとっての「自立」とは?分離不安を減らすために大切な心の成長

「うちの子、どうしてこんなに留守番が苦手なんだろう?」
そんなふうに感じたことはありませんか?

愛犬が飼い主と離れるだけで不安そうに吠えたり、食欲が落ちたり、吐いてしまう…。これは「分離不安」と呼ばれる状態で、多くの飼い主さんが悩まされています。その背景には、「自立心の不足」が関係している可能性があります。

犬にとっての“自立”とは、自分で状況を判断し、行動できる力を持ち、飼い主に過度に依存しすぎず、適度な距離感を保てること。心に余裕があることで、分離不安によるストレスを軽減できるのです。

たとえば、ペットホテルや動物病院、トリミングサロンに預けたとき、飼い主の姿が見えなくなった途端にパニックになったり、食欲を失う犬がいます。これは、飼い主との関係が密すぎるあまり、ひとりでいることに大きな不安を感じている状態です。

一方で、自立心が育っている犬は、こうした環境の変化にも冷静に対応できます。最初は緊張しても、周囲の状況を自分で見極め、落ち着きを取り戻していけるのです。つまり、自立しているかどうかで、ストレスの受け止め方にも大きな差が生まれるのです。


愛犬の“考える力”を育てるには?2つの学習方法

犬が成長する中で学んでいく方法には、大きく分けて次の2つがあります。

  1. 自分で考えて学ぶ方法
     犬が環境を自由に探索し、成功や失敗を実体験から学んでいく方法。自発的な学びが、自立心を育てる土台となります。
  2. 指示通りに動く方法
     飼い主の命令に従い、考える余地がない状態で行動する方法。この場合、犬自身が判断する力は育ちにくくなります。

自立心を育てるには、なるべく犬に「考えるチャンス」を与えることが大切です。何でも指示してしまうと、自分で判断する機会が失われ、結果として不安を感じやすい犬になってしまいます。


社会化期を活かすことがカギ

犬の自立心を育てるうえで欠かせないのが「社会化」です。
特に、生後3週~12週の「社会化期」は、さまざまな経験を通して多くの情報を吸収できる貴重な時期。この時期に他の犬や人、音、場所、物などに慣れることで、自立した落ち着きのある犬に育ちます。

この期間にポジティブな体験を積んだ犬は、知らない環境でも物怖じせず、堂々と振る舞えるようになります。その姿は、まさに“カッコいい自立した犬”の理想像です。


自立は、愛犬と飼い主の穏やかな暮らしの第一歩

犬に自立心があることで、突然の環境の変化や一時的な別れに対しても過度な不安を感じずにすみます。そしてそのことが、飼い主にとっても安心感につながります。

愛犬が自分で状況を判断し、行動できる力を持つこと。それは、犬自身の心の安定だけでなく、飼い主と犬の信頼関係をより豊かにしてくれるのです。

犬の幸せを考えればこその自立

犬との関係、ただの「おやつ係」になっていませんか?

犬が人間と共に暮らすようになったのは、今からおよそ2万〜4万年前。狩猟や牧畜のパートナーとして、そして現代では大切な家族として、犬は長い歴史の中で私たちと深い絆を築いてきました。

しかし現代の暮らしの中で、「愛犬が一人でお留守番できない」「他人や他の犬に怯える」「急に吠えたり落ち着きがない」…そんな悩みを抱える飼い主さんも多いのではないでしょうか?

実はそれ、犬の「心の自立」が育っていないサインかもしれません。

甘えすぎ?不安定?犬の問題行動の裏にある“依存”

飼い主の外出時に、愛犬が不安から長時間吠え続けたり、物を壊したり、自分の身体を舐めすぎたりする。あるいは散歩中に他人に吠える、怯える、固まる…。これらは犬が感情をうまく処理できず、依存傾向が強まっている状態でよく見られます。

そんな時、「おやつで気をそらそう」「おやつを見せて指示を通そう」としていませんか?

もちろん、おやつはトレーニングのサポートにも使える便利なアイテムですが、過度に頼りすぎると、犬は「おやつをくれる人=飼い主」として学習してしまうのです。こうなると、本来築くべき精神的な信頼関係ではなく、「報酬ありき」の関係になってしまい、犬の自発的な行動や感情の安定には繋がりません。

目指すべきは「おやつがなくても安心できる関係」

理想的なのは、飼い主の存在やアイコンタクトだけで、犬が安心し、落ち着いて行動できる関係です。

そのためには、「おやつでごまかす」よりも、「おやつがなくても伝わる」関係性づくりを意識することが大切。犬にとっての“心のよりどころ”を、飼い主の存在そのものにしていくことで、精神的な自立が育ち、問題行動の予防や改善にもつながります。

自立心が育つと、犬の世界が広がる

犬の自立心を育てるには、興味・好奇心を刺激し、さまざまな経験を積ませてあげることが大切です。

お散歩コースを変えてみる、新しい場所に出かける、他の犬や人との関わりを少しずつ増やしていく…。こうした日々の工夫によって、犬の視野は広がり、心が安定していきます。

そして何より、自ら考えて行動できる犬は、飼い主とより深い信頼で結ばれるようになります。愛犬との暮らしが、より豊かで安心感に満ちたものになるはずです。

飼い主は愛犬が安心できる人物になること

愛犬との理想的な関係は「安心感」から始まる

愛犬との信頼関係を築くうえで、最も大切なのは「安心感」です。
犬にとって、安心できる寝床、清潔な食事やトイレの環境、そして自分を守り世話してくれる飼い主の存在――これらが揃ってはじめて、心から落ち着いた生活が送れるようになります。

安心できる環境の中で、犬は自由に動き回り、周囲の世界を探索します。その過程で「楽しい」「怖い」「不安だった」などさまざまな経験を重ねることで、犬は少しずつ成長していきます。

飼い主=安心のよりどころと認識させる

犬は不安や恐怖を感じたとき、本能的に「安心できる場所」に戻ろうとします。そのときに頼れる存在が飼い主であれば、自然と信頼が深まっていきます。

「どこかに行っても、飼い主は必ず帰ってくる」と犬が理解するようになると、数時間の留守番も落ち着いて過ごせるようになり、分離不安の予防にもつながります。

報酬に頼りすぎない社会化トレーニングを

社会化トレーニングでは、おやつなどのご褒美を使いたくなる場面もあるでしょう。ですが、すべてを報酬で教えてしまうと、犬は「指示=おやつ」としか結びつけられなくなります。

大切なのは、犬が自分の判断で行動できるようになること。
たとえば、散歩中に行ってほしくない方向へ進んだら、「ノー」や「ダメ」と声をかけて制止し、ルールを伝えましょう。そして、正しい行動を取ったときにはたくさん褒めてあげてください。ただし、なるべくおやつに頼らず、言葉や態度でコミュニケーションを取るようにするのが理想です。

犬の自立心が、心の安定と成長につながる

自分で考えて行動できる犬は、精神的に自立し、心に余裕を持つようになります。その自立心は、突然の環境変化や他人との接触にも動じにくい「たくましさ」につながります。

そして、そんな自信に満ちた犬と過ごす毎日は、飼い主にとっても穏やかで幸福な時間となるでしょう。信頼と安心を土台にした関係は、しつけやトレーニング以上に、かけがえのない絆を築いてくれます。

モデルベースとは

「犬に考えさせるモデルベース」とは、犬が自分で状況を理解し、適切な行動を選択できるようにするためのしつけや訓練のアプローチです。この方法は、従来の指示を待って行動する従属的なトレーニングではなく、犬が自ら考え、判断することを促すものです。

モデルベースのポイント

  1. 環境と状況の理解: 犬が周りの状況を観察して理解し、自分の行動を調整する力を身につけるようにします。これは、犬にとって無理のない環境や段階的な学習機会を設けることが重要です。
  2. 問題解決能力の育成: 例えば、おやつやおもちゃを手に入れるための仕掛けを用意し、犬がどのように工夫してアクセスするかを学ぶように促すなど、少しずつ思考力を刺激します。
  3. 成功と失敗から学ぶ: 指示通りに行動させるのではなく、犬自身が試行錯誤し、成功と失敗の体験を重ねていくことで、自分なりの行動基準を築いていけるようにします。
  4. 適切なタイミングでのフィードバック: 犬が正しい行動をしたときには、すぐに褒めたり、少しだけおやつを与えたりすることで自信を持たせますが、過度に依存させないようにすることがポイントです。犬が自分の行動をフィードバックによって認識することで、次回も似たような判断ができるようになります。

モデルベースのメリット

  • 自立心の向上: 自分で考える経験を積むことで、犬が自信を持って行動できるようになります。
  • ストレスの軽減: 飼い主がいなくても落ち着いていられるようになり、環境への適応力が高まります。
  • 強い信頼関係の構築: 飼い主が常に指示を出さなくても、犬が自ら行動し、自分で考えて動くことができると、より深い絆が生まれます。

この「犬に考えさせるモデルベース」アプローチは、犬とのコミュニケーションを大切にし、犬自身の考える力を育むことを重視しています。

モデルフリーとは

「犬が指示に従うモデルフリー」とは、犬が飼い主からの指示やトレーニングを通じて反射的に行動することに重点を置いたトレーニング方法です。このアプローチでは、犬が状況を自ら判断するのではなく、飼い主からの指示や合図に従って行動することが中心となります。以下に、モデルフリーの具体的な特徴とメリットについて説明します。

モデルフリーのポイント

  1. 反応ベースのトレーニング: 犬が行動を決定する際、自分で考えず、飼い主からのコマンドや合図に反応して行動します。例として「おすわり」「まて」「おいで」など、飼い主の言葉やジェスチャーをきっかけにして動作を取ります。
  2. 報酬による強化: 犬が飼い主の指示に従ったときに報酬(おやつ、褒め言葉、遊びなど)を与えることで、その行動を強化し、従う確率を高めます。この手法は、犬が報酬を期待して指示に従うようになるため、トレーニングが比較的短期間で進むメリットがあります。
  3. 繰り返しによる習慣化: コマンドの反復練習によって、犬が特定の状況で反射的に行動するように習慣化します。何度も練習することで、犬は状況とコマンドを結びつけ、反射的に指示通りに動くようになります。
  4. トリガーを設ける: 犬がいつどのように行動すべきかを明確にするために、言葉や手のサインなどのトリガーを設け、わかりやすく伝えることが大切です。これにより、犬は指示が出た際にその行動を取る習慣がつきます。

モデルフリーのメリット

  • 即時の行動を引き出せる: コマンドに対して犬がすぐに反応するため、危険回避や安全確保に役立ちます。
  • 行動制御がしやすい: 犬が飼い主の指示を待ち、指示通りに行動するため、公共の場や特定の状況での行動制御がしやすくなります。
  • 初めての飼い主にも取り組みやすい: コマンドを教え、従わせるトレーニング方法はシンプルで理解しやすいため、犬のしつけが初めての飼い主でも取り組みやすいです。

モデルフリーの留意点

  • 自立心が育ちにくい: 常に指示を待つ習慣がつくため、犬が自ら状況を判断する機会が減り、自立した行動が取りにくくなる可能性があります。
  • 依存が強くなる可能性: 飼い主の指示がないと行動できないため、犬が過度に依存する傾向が生まれることがあります。

「モデルフリー」のアプローチは、犬が飼い主の指示に即座に従うことを目的としており、安全や公共の場でのコントロールに効果的です。しかし、犬が自ら考え判断する力を引き出すためには、モデルフリーベースとモデルベースをうまく組み合わせることが理想的とされています。

学習のさせ方で自立心を促すことができる

犬の“自立心”はどう育つ? モデルベース学習がカギを握る理由

「うちの子、いつも指示がないと動けない…」「飼い主がいないと不安そう」
そんな様子に心当たりがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
実はそれ、犬の“自立心”が十分に育っていないサインかもしれません。

現代の家庭犬は、飼い主の指示に従う“モデルフリー”な学習に偏りがちです。つまり、自ら考えずに「言われたことをやる」ことに慣れてしまっているのです。

しかし、本来の犬はもっと賢く、柔軟な存在です。
野生の犬たちは、一日中歩き回りながら獲物を探し、「どこに行けばチャンスがあるか」「どの道が安全か」などを自ら判断して行動してきました。集団で協力しながら生きる中で、試行錯誤を繰り返し、“経験”という学びを積み上げていたのです。

このような学び方は、いわゆる「モデルベース学習」と呼ばれます。
成功も失敗も含めた“体験”から、自分なりの行動モデルを構築していくプロセスです。

飼い主が全部教えるのは、実は犬の“学ぶ力”を奪うことも

飼い主としては、愛犬が困らないようにと、つい先回りして教えたり、手を貸したりしてしまいがちです。しかし、それが犬の学ぶチャンスを奪い、依存心を強めてしまうこともあります。

たとえば、おやつで誘導して指示通りに動かすことばかりしていると、犬は「飼い主がいないとどうしていいか分からない」「言われたこと以外は怖い」と感じてしまいます。これは一見“お利口”に見えるかもしれませんが、自立心の育成には逆効果です。

自分で考え、選び、行動する これが“自立”の第一歩

では、どうすれば愛犬の自立心を育てることができるのでしょうか?

答えはシンプルです。犬に自由な探索の機会を与えること
周囲の環境を自分の目と鼻で確かめ、選択肢の中から行動を決める経験こそが、犬の“考える力”を伸ばします。

・初めて歩く道で、自分でルートを選ぶ
・新しいおもちゃで、試行錯誤しながら遊ぶ
・他の犬と関わる中で、適切な距離感を学ぶ

こうした「成功」と「失敗」の積み重ねが、犬にとっての学びとなり、「どう行動すれば良いか」「どうすれば失敗するか」を自ら考えるようになります。

そしてそれが、「自分で判断して動ける」という健やかな自立につながっていくのです。


まとめ:愛犬の自立心は、飼い主の“見守る力”から育つ

愛犬が本当の意味で自信を持って生きていけるようにするには、「指示を与えるだけの関係」から一歩踏み出し、「学ぶ機会を与えて見守る関係」へと変えていくことが大切です。

自分の意思で行動を選び取れる犬は、不安に強く、どんな状況にも柔軟に対応できる力を持っています。
それこそが、現代社会で幸せに生きていくうえでの、本当の“お利口さん”なのです。

社会化&自立

子犬の社会化は一生を左右する大切な学び

「うちの子、外に出るとすぐに怖がってしまう…」
そんな悩みを抱えていませんか?
その原因のひとつに、子犬期の「社会化」が不十分だったことが挙げられるかもしれません。

犬には、生後3週〜12週頃までの「社会化期」と呼ばれる特別な時期があります。この期間は、子犬が犬社会や人間社会で生きていくための基本的なルールを学ぶ、いわば“心の土台づくり”の時期です。

親犬や兄弟とのふれあいを通じて、咬み加減や遊び方、距離の取り方を学びながら、同時に飼い主や家族との信頼関係も築いていきます。そしてこの時期にどれだけ多くの「初めて」に触れられるかが、その後の犬生に大きな影響を与えます。

たとえば
● 見慣れない音や物
● 他の犬や人とのふれあい
● 公園や動物病院などの異なる場所

こうした刺激に触れ、「怖くないんだ」「楽しいこともあるんだ」と感じる経験を積むことで、子犬は自分の中に“安心の引き出し”を増やしていきます。これは単なる慣れではなく、【自ら感じ取り、考え、行動する力】を育む大切なプロセス。つまり、社会化とは「犬の自立心」を育てる学習期間なのです。

もちろん、他人に迷惑をかけないための基本的なトレーニングやコントロールも必要ですが、この時期に大切なのは「自由に探索し、安心して学べる環境」を与えることです。あまりに飼い主が先回りして守りすぎると、かえって依存心が強くなり、分離不安などの問題を引き起こすこともあります。

たとえば、家の中だけで過ごしていた犬は、いざ外に出ると極端に怯えて動けなくなることもあります。一方、日頃から外の世界に触れていた犬は、初めての場所でも堂々と探索し、落ち着いて行動することができます。

社会化期にたくさんの経験を積んだ犬は、自信を持って行動できるようになり、どんな環境でも柔軟に対応できる「たくましさ」を備えていきます。

社会化期(生後3週から12週)とは

犬の社会化期(生後3週から12週)は、犬の一生において非常に重要な発達段階であり、この時期に犬は自分の環境や人、他の犬、物との関わり方を学びます。この期間に経験したことは、犬の成長と行動に大きな影響を及ぼし、成犬になってからの適応力や落ち着きにも関係します。以下に、社会化期の各ステージについて詳しく説明します。

社会化期のステージと特徴

  1. 生後3週から5週:母犬や兄弟との絆形成
    • この時期、子犬は母犬や兄弟と過ごすことで、犬社会での基本的なルールやコミュニケーション方法を学びます。遊びや甘噛みを通して、咬む力の加減を覚えたり、遊びながらの軽いケンカを経験したりします。これにより、犬同士の関わり方や信頼関係の築き方を学ぶのです。
  2. 生後5週から7週:新しい刺激への初期適応
    • 子犬は周囲の新しい物音や、見慣れないものに少しずつ触れ始めます。少しずつ飼い主やその家族と接する機会も増やし、犬と人との信頼関係が形成されていきます。この時期に優しく、落ち着いた接し方をすることで、犬に安心感を与え、人間を信頼できる存在として理解するようになります。
  3. 生後7週から12週:社会性の確立と環境への適応
    • 生後7週を過ぎると、社会性やルールを身につける重要な時期に入ります。飼い主や家族とともに過ごしながら、人や他の動物に対する社会的スキルを身につけ、初めて聞く音や匂い、見慣れない物にも慣れていきます。この経験が犬の適応力を育み、初めてのものに対する恐怖や不安を和らげます。
    • この時期には、車の音や掃除機、生活音などに慣れさせるほか、家の外に出て様々な環境に触れさせることも有効です。少しずつ違う環境に連れ出し、リードをつけて安全に探索させることで、子犬は新しい場所に安心して適応できるようになります。

社会化期に大切なポイント

  • 経験を積ませる: この時期にさまざまな環境や人、他の犬に触れさせることで、犬は多くのことに慣れ、心が柔軟になります。新しい体験を通して、「これは怖くない」「この音は大丈夫」といったポジティブな認識を持つことが、成犬になってからも安心して生活するために重要です。
  • ポジティブな経験を提供する: 特に怖がりやすい子犬には、安心できる環境で優しくサポートすることが大切です。怖がらせないように新しい経験を提供し、不安な状況をポジティブなものと感じられるよう配慮します。
  • 無理をさせない: 急激に多くの体験をさせると、逆にストレスがかかることもあるため、犬がリラックスしていられる範囲で、少しずつ新しい体験を増やしていくことが理想的です。

社会化期を過ぎた後の影響

社会化期にさまざまな経験を積んだ犬は、成犬になってからも新しい状況や環境に適応しやすくなります。例えば、公共の場でも落ち着いて過ごせる、飼い主が不在でも安心して待てるなど、自立心も育まれます。

逆に、社会化期に十分な経験ができなかった場合、他の犬や人に対して極端に警戒心を示したり、不安から吠え続けたりする可能性があります。

若年期(生後13週から性成熟前)

犬の若年期(生後13週から性成熟前)は、子犬がさらに成長し、社会性や自立心を深める重要な時期です。この期間に犬は新しい環境に適応し、飼い主や他の犬との関わり方を学びつつ、信頼関係を強化します。以下に、この時期の特徴と、飼い主が気をつけるべきポイントについて詳しく説明します。

若年期の特徴

  1. 社会化の深化:
    • 生後13週を過ぎると、犬はさらに多くの経験を求め、周囲に対する好奇心が強まります。初めての場所や他の犬、人と関わる機会が増えると、犬は自分の行動が周りにどのように影響するかを学び、適切な反応を取れるようになります。
    • ただし、この時期に不安や恐怖の体験をすると、成犬になってからもそのトラウマが残ることがあります。ポジティブな社会化の経験を重ねるように工夫しましょう。
  2. 学習能力の発達:
    • 若年期の犬は、非常に吸収力が高く、学習能力が発達しているため、トレーニングを始めるのに理想的な時期です。基本的なコマンド(「おすわり」「まて」「ふせ」など)や、日常生活で必要なルール(トイレの場所や無駄吠えを控えるなど)を教えるのに適しています。
    • ルールを学ぶことで、犬は安心して日常生活を送りやすくなり、飼い主との信頼関係も強まります。良い行動を褒めて報酬を与える「ポジティブ・トレーニング」が推奨されます。
  3. 自立心と自信の形成:
    • 若年期は、自立心が育ちやすい時期でもあります。犬が一人で探検したり、新しい状況に対処したりすることで、自信がつきます。飼い主の指示がなくても、自分で判断して行動できる力を育むことが、健やかな成長につながります。
    • たとえば、飼い主が近くにいなくても問題なく待てるようにトレーニングし、自信と自立心を養うことが大切です。これにより、将来の分離不安の予防にもなります。
  4. エネルギーが高まる時期:
    • この時期はエネルギーが増し、体力もついてくるため、運動が重要になります。運動を通じて体力を消費させることで、ストレスが軽減され、穏やかに過ごせるようになります。適度な運動と遊びが日課となることで、犬は心身ともに健康に育ちます。

飼い主が気をつけるべきポイント

  1. 新しい経験と社会化の継続:
    • 若年期の犬には、まだまだ新しい経験が必要です。できるだけ多くの異なる環境に触れさせ、他の犬や人と交流する機会を作りましょう。友好的で適切な犬との出会いは、他の犬に対する社会性を高めるうえで非常に有益です。
  2. ルールと一貫性:
    • 犬が混乱しないよう、飼い主は一貫性をもって接することが大切です。この時期に明確なルールと日課を設定すると、犬が成犬になってからも安定した行動を取りやすくなります。また、飼い主が一貫して正しい反応を示すことで、犬はルールを理解しやすくなります。
  3. 自己主張の強まりに対する対応:
    • 若年期になると、犬は自己主張が強くなり、自分の意思を試すような行動を取ることがあります。これは成長過程の一部であり、自然なことです。ただし、この時期に無視や叱責で対応するのではなく、正しい行動を示すことで穏やかに導いてあげることが大切です。
  4. 恐怖期への対応:
    • 一部の犬は若年期に「恐怖期」と呼ばれる、特定のものに突然恐れを示す時期を経験することがあります。たとえば、見慣れた物でも突然怖がるような行動を見せることがあります。この時期には無理に怖いものに触れさせず、安心できる距離を保ちつつ徐々に慣れさせることが大切です。

若年期の経験が将来に与える影響

若年期にポジティブな社会化やトレーニングを経験した犬は、成犬になってからも落ち着いて行動でき、飼い主との強い絆を築けます。逆に、若年期に不安や恐怖の経験が多かった場合、成犬になっても人や物に対して極端に警戒したり、ストレスを感じやすくなることがあります。

若年期は、犬の性格や行動に大きな影響を与える重要な時期です。この期間に飼い主が適切なサポートをすることで、愛犬が健やかに、かつ自信に満ちた成犬に成長していきます。

まとめ

犬の自立と社会化を育てることが、理想的な関係への第一歩

愛犬が安心して自立し、健やかに成長していくためには、飼い主の接し方がとても重要です。この記事では、犬の自立と社会化の大切さ、そして飼い主との理想的な関係を築くためのポイントについてわかりやすく解説します。

犬は、ただ「おすわり」や「待て」を教えるだけでは、本当の意味での自立は育ちません。自分で考え、状況を判断して行動できる「モデルベース」のトレーニングこそが、自立心を育む鍵となります。

特に、生後3週〜12週の「社会化期」と呼ばれる時期は、犬にとって一生の中でも最も重要な学びの期間。この時期に、さまざまな音や人、物、環境に触れることで、怖がらずに安心して探索できるようになり、犬の心に“自信”が芽生えていきます。

また、飼い主に過度に依存しない関係を築くことで、犬は一人の時間も落ち着いて過ごせるようになります。分離不安の予防にもつながり、新しい環境や他人にも柔軟に適応できるようになるのです。

こうして築かれる信頼関係は、愛犬と飼い主にとってかけがえのない絆となり、互いに安心できる幸せな毎日をつくり出してくれます。

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この記事を書いた人

子供の頃から馬が好きで騎手を目指しましたが体重が増え諦めて厩務員になり、馬達に恵まれた厩務員生活を送りダービーにも勝たせていただきました。
今は競馬社会を引退しチワワ専門のブリーダーをしています。
可愛くて性格が良く丈夫なチワワを作るために奮闘中です。
そんな暮らしをする中で犬に関することを発信していけたらと思いブログを始めました。
犬との暮らし方や躾の悩み、有ると便利なものを発信、紹介して行けたらと思います。

栃木県動愛セ 17販第007号
愛犬飼育管理士

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