犬種ごとの特徴を活かした遊びで健康維持と絆を深めよう!
犬は、その特徴や能力によって10のグループに分けられます。それぞれのグループに合った遊びを取り入れることで、ストレス発散や体力作り、さらには健康維持にも大いに役立ちます。
犬種やグループごとに、好きな遊びや得意なことも異なります。例えば、ボール遊びが大好きな犬もいれば、全く興味を示さない犬もいます。また、臭覚や視覚を活かして楽しむ犬種もいます。
愛犬の本能に働きかけ、その性質を引き出すことで、無理なく楽しく運動ができるだけでなく、飼い主との絆や信頼関係もより深まります。愛犬の個性に合った遊びを見つけて、一緒に楽しい時間を過ごしましょう。
犬にとっての遊びとは何か?
犬の本能に基づいた遊び方とは?
犬が「ニオイを嗅ぐ」「吠える」「追いかける」「くわえる」「咬む」といった行動は、すべて本能的な動作に由来しています。犬が家畜化され、人間と共に過ごすようになったのは約40万年前と言われていますが、その長い歴史の中でも、野生で狩りをしていた頃の本能はしっかりと残っています。
この本能に沿った遊びを日常に取り入れることは、犬にとって非常に重要です。適切な遊びによって犬はその本能や欲求を満たし、ストレスを溜めることなく、健康的な生活を送ることができるのです。
さらに、遊び・しつけ・訓練は同じ線上にあります。犬種ごとの特性を理解し、それに応じたしつけを行うことで、より良い関係を築き、飼い主との絆を深めることができます。
遊びが果たす役割
犬との遊びをもっと楽しもう!本能を刺激する遊びで心と体を健康に
日々、犬におもちゃを与えたり、散歩に連れて行ったり、綱引き遊びをしたりと、何気なくルーティンの一環として犬と遊んでいる方は多いのではないでしょうか。しかし、犬は成犬になっても一生、遊びを楽しむ生き物です。実際、犬は何歳になっても人間の3歳児くらいの気持ちを持ち続けます。
とはいえ、遊び方は子犬と成犬では少し違います。生後6ヶ月の子犬は走り回るだけで楽しめますが、成犬になると飼い主との意思疎通を取り入れた、より高度な遊びができるようになります。体を動かして、走ったりジャンプしたり、泳いだりする遊びは、犬にとっても楽しみの一つです。特に若い犬にとっては、十分に体力を消耗することが健康維持と満足感に繋がります。
多くの動物が幼少期に大人の真似をして遊び、社会性やマナーを学ぶように、犬も母親犬から狩りの技術や社会的スキルを遊びの中で学びます。このような遊びは、成犬になっても狩猟本能を満たす重要なものであり、ストレスの発散、そして体力・健康の維持に欠かせません。
さらに、頭を使う遊びは、犬に達成感や満足感を与え、充実した毎日を送らせてあげることができます。だからこそ、ただ漠然と遊ぶのではなく、犬の本能や欲求を満たす遊びを取り入れましょう。体をしっかり動かし、頭を使わせ、飼い主とのコミュニケーションを通じて、犬にとって満足度の高い時間を提供してあげることが大切です。
犬種の特徴を考え 犬に合った遊びを選ぶ
犬の持つ本能を理解し、エネルギーを発散させる大切さ
犬はさまざまな能力や個性を持ち、その特性を引き出して多種多様な犬種が生み出されてきました。犬種ごとに姿や能力、性格などの特徴が大きく異なり、これらの違いは生後間もないころから徐々に現れてきます。
例えば、猟犬には、走って獲物を追いかけるのが好きな犬もいれば、穴を掘って狩りをする犬、吠えながら獲物を追い立てる犬、撃ち落とした獲物を探して持ち帰る犬など、さまざまなタイプが存在します。これらは、犬種ごとの性質や本能に基づいた行動です。もしその本能を遊びに取り入れることができれば、犬はもっと喜んで遊びに夢中になるでしょう。
犬の祖先は群れで生活し、集団で狩りをして生き延びてきました。しかし現代の犬たちは、飼い主から毎日決まった時間に食事をもらうため、食べ物を探し回る必要がありません。本来なら、犬は一日中エサを求めて歩き回り、何時間もかけて狩りをするはずです。そのため、現代の犬も十分な体力を持っており、エネルギーを発散しないとストレスが溜まってしまいます。
こうしたストレスが問題行動に繋がることもあります。例えば、チャイムの音に過敏に反応する、室内のものを壊してしまう、といった行動は、エネルギーを持て余し退屈していることが原因かもしれません。
愛犬の本能や特性を理解し、遊びや運動を通じてエネルギーを発散させてあげることが大切です。心身ともに健康な日々を送るためにも、犬との遊びを通じて、犬が持つエネルギーを発散させてあげましょう。
グループとは
1グループ | 飼い主の指示をよく聞き体力だけではなく知力を使う複雑な仕事を得意としています。 日常生活の中でも、知力、体力を発揮できて、任務達成感のある遊びをすることができれば、充実した日々を送ることができるでしょう。 玩具や身の周りにあるものの名前を一つ一つ覚え、飼い主が言ったものを咥えて持ってくるようになったり、散らかっているものを片付けるように教えると片付けるようになったりします。 ボーダーコリーは200以上の玩具の名前を記憶していたり。 アジリティーやフライボールなどスポーティーなドッグスポーツにもお勧めです。 飼い主の指示に瞬時に反応するので一体感を感じられて絆を深く感じることができます。 | 牧場で羊などの家畜を管理するタフな仕事をこなしていた犬たちのグループです。
2グループ | 警戒心が強く、がっしりとした体格と気迫をもち、見た目から怖がられることがありますが、 家族愛にあふれ飼い主に指示に喜んで従う従順さもあり、気が優しくて力持ちを地で行くような犬です。 楽しい遊びも好きですが、仕事にやりがいを感じるタイプで、褒められると一段と高い能力を発揮します。 訓練競技会の課目やオビディエンス競技などの高度な訓練に挑戦するのもよいでしょう。 日常的には基本的なコマンドをしっかり教え、赤信号では飼い主の横に座らせて待たせたり、リードを引っ張らないように徹底しましょう。 褒められることが大好きなので褒めて伸ばすようにします。 大きな体格でおっとりした犬は周囲に安心感や好印象を与えます。 | 番犬や警備犬としての仕事をしてきた犬たちのグループです。
3グループ | 他の犬や小動物を見つけると本能的に追いかけて捕まえようとします、飼い主は上手くコントロールするように心掛けましょう。 興奮しているときは叱っても効果がありません。 名前や「マテ」のコマンドで振り向くように小さなころから教え込む必要があります。指示に従ってアイコンタクトが出来たら、良く褒めて小動物を模した玩具などで気を引き、テリア特有の動作で玩具を咥えたら引っ張りっこをして存分にエネルギーを発散させてあげます。 興奮していても名前を呼んでアイコンタクトが出来たら遊んであげると、飼い主の指示を聞き分けるようになります。 ほどよく遊んだら玩具を口から離すようにしますが、そのときの玩具を取り上げることはせずに、放せと指示しおやつと交換するとよいでしょう。 玩具を取り上げたり隠す行動は、動くものを追いかける本能を刺激して、興奮してしまい探そうとしてしまいます。 | 小動物の猟犬として活躍したテリアのグループです。
4グループ | 獲物を見つけたら吠えて教えるのが仕事なので、本当によく吠えます。 叱って止めさせようとすると、ますます吠えるようになることもあります。 現代の街中では迷惑にもなってしまうので徹底いた躾が必要です。 吠えるのを止めさせたいときには、口や鼻を使わせるとよいでしょう。 口や鼻を使っているときは吠えることができないので、玩具を咥えさせたり、臭覚でものを探させたりするとよいでしょう。 例えば玩具を隠して、それを探させた遊びを取り入れると本能に沿った遊びでストレスを発散しながら躾けもできます。 出来たら大げさに褒めてあげましょう。 | 地面の穴に住むアナグマやウサギの猟をしてきたダックスフンドのグループです。
5・6・7・8グループ | 自立心があり、やや頑固な面をもっている犬もいます。 原産国や狩猟スタイル、対象とする獲物は色々ですが、厳しい環境の中、獲物のニオイを追って根気強く探し、何時間でも走り回れるスタミナを持っています。 とにかく臭覚が良く、飼い主のニオイのついたものを追うように教えれば、遊ぶ楽しみや方法も広がります。 玩具やボールが好きなので投げて持ってくるようにするにもよいでしょう。 このグループの犬種は、臭覚や体力をしっかり使う遊びを取り入れることによって心身の疲労が満足感につながります。 | 5グループはスピッツを含む日本犬や原始的な犬たちで、飼い主思いで多様な仕事を補ってきました。6・7・8グループはいずれも猟犬で優れた臭覚をもっています。
9グループ | 感覚が繊細で訓練しても集中力が続きにくい犬もいます。 個性を見極めて、その犬の気持ちを引き出せるような遊びかたを見つける工夫をしましょう。 室内で簡単に楽しめるような遊びも適していて、手の中に隠しているおやつを探させたり、飼い主とかくれんぼをするのもよいでしょう。 | 愛玩犬のグループです。他のグループ犬種より飼い主の傍にいて穏やかに過ごすことを好みます。
10グループ | とにかく走ることにかけては、他のグループではかないません。 得意な走力を活かす遊びが適してして、1日に1回は思う存分に走らせましょう。 ただし、ケガや危険から守るためにも「マテ」や「おいで」もしっかり教えておくことが必要です。 名前を呼んで戻ってきたら、大げさにほめて玩具で遊んであげます、このときに玩具を投げて取りに行かせ玩具を咥えたまま走り回らせる練習を繰り返します、「持ってきて」のコマンドに従って呼び戻す練習になります。 飼い主の元に帰ってくるようになれば安心して走らせることができます。 | 優れた視覚で獲物を追いかけるグループです。
僕たちチワワは9グループなんだよ
愛玩犬っていうんだ。
愛犬との遊びの5つのポイント
遊びのスタートとエンドは飼い主が決める
犬との遊びで大切なのは、一度決めたルールを変えないことです。
「昨日ダメだったことは今日もダメ」、「昨日良かったことは今日もOK」、この一貫性が信頼関係を築く鍵です。人間社会でも、上司が日によって言うことが変わると不信感が湧くのと同じように、犬も混乱してしまいます。
遊びを始めるときは、まず愛犬の名前を呼び、アイコンタクトを取り、「お座り」などのコマンドを出しましょう。
引っ張りっこやボール遊びでも構いませんが、飼い主が遊びの主導権を持つことが重要です。そして、遊びを終えるタイミングも犬が飽きる前や興奮しすぎる前に、飼い主から「おしまい」と合図を出して終了します。
たとえ犬が「もっと遊びたい!」と要求してきても、いったん終わらせて、少し時間を置いてから再開すると良いでしょう。
愛犬がどんな遊びを好むか、どうすると興奮しやすいかを知っておくと、より楽しく、効果的な時間が過ごせます。
言葉を覚えれば、遊びの幅が広がる
犬は初めから言葉を理解しているわけではありませんが、繰り返しの中で、言葉と動作を結びつけ、少しずつ覚えていきます。
「お座り」や「待て」などのコマンドを教えるのと同じように、犬は日常の中でたくさんの言葉を覚えていきます。
例えば、「散歩に行こう!」という言葉を聞けば、犬は「外に行ける!」と理解し、嬉しそうにすることが多いでしょう。
言葉を覚えるほど、遊びのバリエーションが広がります。日常のコミュニケーションの中でも、ぜひ声をかけてあげましょう。声とスキンシップを通じて、より深い絆が築けます。
遊ぶ時間や内容は不規則に
犬が自分からおもちゃを持ってきて遊びに誘うことはよくありますが、毎回その要求に応じるのは避けましょう。
もし忙しくて対応できないときに「どうして遊んでくれないの?」と犬が不安を感じ、ストレスになってしまうこともあります。
遊びを始めるのは飼い主のタイミングで。「お座り」などのコマンドを使って一旦犬を落ち着かせてから遊びを始めましょう。
その方が、飼い主からの誘いを犬はより嬉しく感じますし、信頼関係も深まります。
また、遊びの時間やおもちゃを日によって変えることで、犬は「今日は何があるかな?」とワクワクし、毎日が楽しいものになります。
安全第一の遊び方
遊んでいるうちに、犬が興奮しすぎてしまうこともあります。そんなときは、怪我を防ぐためにも冷静さを取り戻すことが大切です。
おもちゃを無理に取り上げるのではなく、名前を呼んでおやつなどで誘導し、自然に離れさせましょう。動くものを追いかける本能が強い犬の場合、取り上げたり隠したりすると逆効果になることがあるので注意が必要です。
おもちゃは愛犬の届かない場所へ
いつでも遊べるようにと、おもちゃを出しっぱなしにしている飼い主さんもいるかもしれませんが、これでは犬が飽きてしまうことも。
大好きなおもちゃは、飼い主が与える特別な瞬間を作ることで、犬にとっておもちゃの価値が高まり、飼い主への尊敬も深まります。
日常の遊びと特別なおもちゃを使い分けることで、愛犬との遊び時間をより充実させてください。
愛犬との遊び ~もっと楽しく遊ぶために~
犬は活発で好奇心旺盛な生き物です。同じコースを散歩しているだけでは、すぐに飽きてしまうこともあります。だからこそ、飼い主との遊びを通じて結びつきを深めることが大切です。実際、犬はエサをくれる人よりも、一緒に遊んでくれる人に懐くことが多いのです。
愛犬の満足感を高めるためには、その犬にぴったりの遊びを選ぶことが重要です。同じ遊びでも、工夫次第で何倍も楽しめるようになります。お気に入りの玩具は、頻繁に使うのではなく、サプライズとして出すと喜びも大きくなります。
引っ張りっこ
タオルやロープを使って、犬に「いくよ!」と合図を出してから遊び始めます。飼い主はほどよいところで離して「すごいね!」と大げさに褒めてあげましょう。わざと負けてあげると、犬はさらにやる気を出して楽しく遊ぶことができます。
どっちだ!
おやつを片手に持ち、犬にニオイを嗅がせて「どっち?」と問いかけます。正しい方に鼻を持っていったら褒めて、おやつを与えます。紙コップにおやつを隠しても楽しめます。
ボール投げ
ボールを投げ、犬が咥えたら飼い主は逆方向に進み「おいで!」と呼びます。犬が戻ってきたら「はなせ」と言ってボールを受け取り、すぐに褒めましょう。運動量が多く、本能を刺激する遊びです。
かくれんぼ
梅雨時でも室内でできるお勧めの遊びです。家具やカーテンに隠れ、名前を呼びます。探してきたら大げさに褒めてあげましょう。この遊びは、災害時や病気のときに応用が利く訓練にもなります。
探し物ゲーム
お気に入りの玩具やおやつを隠して探すゲーム。クッションの下や段ボールに隠し、探させます。この遊びは知育的な要素もあり、五感を活用することで満足度が高まります。
かけっこ
広いドッグランで思い切り走らせるのは犬にとって本能を刺激する楽しい遊びです。飼い主は犬の逆方向に走り、「おいで!」と呼ぶことで、犬は追いかけてきます。変化をつけながら楽しく遊びましょう。休憩や水分補給も忘れずに!
僕も走るのが大好きだよ
まとめ
小型犬を飼っている方の中には、「うちの子は小さいから運動や散歩は必要ない」と考える方も少なくありません。しかし、私はこの世に運動が必要ない生き物などいないと思っています。飼い主として、愛犬が適切な運動を行い、心身ともに健康で長生きできるようサポートするのは大切な役割です。
また、運動や散歩を通じて自然に触れさせることで、犬は新しい刺激を受け、知的な発育にも良い影響を与えます。日々の体力作りが、愛犬の健康寿命を延ばし、高齢犬になった際も自分の足で歩ける力を育むのです。愛犬と過ごす時間をより素晴らしく、充実したものにしましょう。
犬の寿命は平均して15年前後と、人間に比べると短いものです。だからこそ、一緒に遊びに出かけ、かけがえのない思い出をたくさん作ることが何より大切です。
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良い愛犬ライフを。
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