毎年、記録的な暑さが続く日本の夏。私たち人間には天候を変えることはできませんが、愛犬を守るための行動は私たち次第です。
真夏の炎天下で散歩している光景を目にすることがありますが、絶対に避けてください。アスファルトの表面温度は50度から60度以上に達することもあり、その上を歩くと肉球が火傷してしまいます。それだけでなく、体温が急上昇し、最悪の場合は命に関わる事態になることもあります。
今の日本の夏は、もはや「災害級」といえる暑さです。しっかりと対策をして、愛犬をこの猛暑から守りましょう。
犬が暑さに弱い理由

1. 汗をかけない
- 体温調整の方法が限られている: 人間は体中の汗腺を使って汗をかき、体温を下げることができますが、犬には汗腺がほとんどありません。犬が汗をかけるのは足の裏の肉球の部分だけです。そのため、汗による体温調整が難しく、体温を下げるために主に「パンティング(口でハァハァする)」を使います。
- パンティングの限界: 犬が口を開けて呼吸することで熱を逃がしますが、これには限界があり、特に高温多湿の環境では効果が低くなります。
2. 被毛による影響
- 被毛が断熱材の役割: 犬の被毛は体温を一定に保つための断熱材として機能しますが、暑い季節には熱がこもりやすくなります。特に厚いダブルコートを持つ犬種(例: シベリアン・ハスキーなど)は、外気温が高いと熱を体内に閉じ込めやすくなります。
- 毛色の影響: 黒や濃い色の毛を持つ犬は、日光を吸収しやすく、体温が上がりやすくなります。
3. 小型犬は特に注意
- 体が小さいほど温度変化に敏感: 小型犬は体が小さいため、外部環境の影響を受けやすく、体温も急激に変動します。チワワのような犬種は、体が冷えやすい一方で、暑い環境では体温が急激に上昇してしまいます。
4. 短頭種はさらにリスクが高い
- 短頭種(鼻が短い犬)は呼吸がしにくい: パグやフレンチ・ブルドッグのような短頭種(ブラキセファリック種)は、鼻が短く、呼吸が効率的にできないため、パンティングで体温を調整するのが困難です。その結果、熱中症になりやすいです。
5. 熱を逃がす表面積が少ない
- 耳や鼻からの放熱が中心: 犬は耳や鼻、足の裏などから体の熱を放出しますが、その表面積が少ないため、体全体の熱を効率的に逃がすのが難しいです。特に暑い環境では、これが十分に機能せず、体温が上がってしまいます。
6. 環境の影響
- アスファルトの熱: 夏場のアスファルトは非常に高温になり、地面に近い犬にとっては足や体全体が高温にさらされやすくなります。また、直射日光が強い場所にいると、短時間でも熱中症になるリスクが高まります。
熱い時期のトラブルを解消する、または未然に防ぐ
犬にとって夏は危険!暑さ対策の重要性とは?
ほとんどの犬種にとって、夏の暑さは苦手です。特に近年の日本の暑さは、私たち人間にとっても危険なほど。そんな中、犬たちは全身を毛で覆われており、私たちのように汗をかいて体温を調節することができません。犬は、舌を出して「ハァハァ」と呼吸し、気化熱で体温を下げますが、その効果は限られています。
犬種ごとに異なる暑さのリスク
長毛で被毛が厚い「ダブルコート」の犬種や、鼻が短く体温調節が難しい短頭種(フレンチブルドッグやパグなど)、毛が短くても直射日光に弱い短毛種(ダルメシアンやグレイハウンドなど)など、すべての犬が暑さに対してリスクを抱えています。特に黒い毛の犬は、太陽光を吸収しやすいため、特別な注意が必要です。
室内でも安心できない!室内犬の暑さ対策
「冷房をつけているから大丈夫」と思いがちですが、室内でも油断は禁物です。以下のような思わぬ危険が潜んでいるかもしれません。
- 停電によるエアコン停止:停電でエアコンが止まり、室温が急上昇するリスクがあります。
- センサー付きエアコンの感知ミス:人感センサーのエアコンが犬を感知できず、冷房が作動しない場合があります。
- ブレーカーのトラブル:実際に、友人の家ではブレーカーが上がり、6匹の犬が帰宅時には全て亡くなっていたという悲しい事故がありました。
さらに、ドアを自分で開けてしまう犬も注意が必要です。ドアが閉まってしまい、犬が暑い部屋に閉じ込められることもあります。
もう一度確認しよう!愛犬の安全を守るために
室内だからといって油断はできません。様々なシチュエーションを想定し、危険から愛犬を守るために、今一度、家の中の安全対策を見直してみましょう。
愛犬を熱中症から守るには
犬の熱中症とは?症状の段階と対処法
熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節がうまくできなくなり、体内に熱がこもってしまう状態を指します。犬も熱中症になりやすく、特に夏場は注意が必要です。症状は重症度に応じて3段階に分けられます。
1度(軽症)
- 浅く早い呼吸(パンティング)
- 体が熱い
- よだれが多い(気持ち悪い状態)
- 落ち着きがない、ぐったりしている
- 口の粘膜が乾いている
2度(中等症)
- 痙攣
- 泡を吐く
- 嘔吐
- 震え
- 目や口の粘膜が充血している
3度(重症)
- 意識がない、動かない
- 歯茎が白い
- 舌が青紫色
- 嘔吐や下痢、血便がある
熱中症の応急処置方法
軽症の場合は、涼しい場所で休ませる、水分補給、体を冷やすといった対処で回復することが多いです。しかし、対応が遅れると命に関わる危険性もあり、高体温による後遺症が残ることもあります。
愛犬に熱中症の疑いがある場合は、次の応急処置をすぐに始めてください。
- 涼しい場所に移動:エアコンの効いた部屋や日陰へ。
- 体を冷やす:濡れたタオルを体にかけ、扇風機や冷風を当てる。
- 保冷剤を活用:首や脇、股など大きな血管がある部分に保冷剤を当てる。
- 水を与える:水が飲めるなら飲ませる。ただし、無理に飲ませると気管や肺に水が入り込む危険があるため注意が必要です。
犬の体温管理と動物病院への対応
犬の平熱は38~39℃ですが、熱中症になると体温が40℃以上に達します。この状態が続くと非常に危険です。応急処置をしながら、3~5分ごとに体温を測定し、平熱に戻るのを確認してください。もし10分以上経っても体温が下がらない場合は、すぐに動物病院へ連れて行く必要があります。
また、一旦熱が下がっても油断は禁物です。再び体温が上昇したり、血栓症などの合併症を引き起こす可能性があります。症状が落ち着いたように見えても、必ず動物病院での診察を受けましょう。


この子たちは僕の赤ちゃんだよ🙂



ひいばあちゃんになっちゃった。。。
赤ちゃんは暑さに弱いし、遊びに夢中になって暑さを忘れちゃうから気をつけて見てあげてね。
熱中症を予防するためのポイント
① 熱中症のサイン、パンティングを見逃さないようにしましょう。
② 室内温度は20~28℃、湿度は50~60%くらいを目安に管理しましょう。
③ 愛犬の被毛のタイプに合った毛の管理を怠らないでください。
ダブルコートの犬等は抜けた下毛をしっかりと取ってやり、熱がこもるのを少しでも和らげてあげましょう。
場合によってはカットをすることも良いと思います。
④ 室内でも起こりえるので愛犬のお気に入りの場所がどのくらいの温度になるのか直射日光が何時間くらい入り込むのか確認しておきましょう。
⑤ ゲージなどに閉じ込めて置かずに快適な場所に移動できるように自由に行動できるようにする。
⑥ 炎天下の散歩は避ける、アスファルトはかなりの高温になります。
その反射熱で地面に近いところに居る犬には、相当な熱が当たっています。
⑦ 必要に応じては洋服を着せ直射日光や地面からの輻射熱から遮ることも必要になると思います。
⑧ 散歩から帰ったら、体に触れてチェックしましょう、足裏に火傷がないか、呼吸が異常に早くないか。
⑨ 散歩をさせるときには、できるだけ日陰を選び20分程度遊んだら10分休憩するなどを取り入れてクールダウ ンをさせながら、水も十分に飲ませましょう。




まとめ


異常気象と犬の健康:飼い主ができる対策
異常気象は今や世界的な問題となっていますが、私たちはこの現象に抗うことはできません。重要なのは、飼い主が愛犬をどのように守るかです。
犬は暑さに非常に弱く、体温調節がうまくできないため、特に注意が必要です。熱中症は時に命を奪う危険性を持ち、助かったとしても後遺症に悩まされることがあります。そのため、愛犬の状態を常に観察し、早期に異変に気づくことが大切です。
悲しい事態を避けるためにも、日頃から愛犬の様子に気を配りましょう。最近では、犬用の接触冷感素材を使用した敷物や洋服が販売されています。これらを上手に活用して、愛犬を暑さからしっかりと守ることができます。
犬に関する悩みや疑問・質問などがありましたら、ご自由にコメント欄に投稿してください。
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良い愛犬ライフを。
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